とあるゴールーチンでエラーが発生した場合に、 他のゴールーチンの処理をキャンセルしたい場合があります。
Goでは、ゴールーチンのキャンセル処理のためにcontext.Contextを用います。
context.WithCancel関数でラップしたコンテキストは第2戻り値返されたキャンセル用の関数が呼び出されるか、親のコンテキストがキャンセルされるとキャンセルされます。
キャンセルされたことを知るには、context.ContextのDoneメソッドから返ってくるチャネルを用います。
次の例では、2つのゴールーチンを立ち上げ、キャンセルをDoneメソッドのチャネルで伝えています。
selectは複数のチャンネルへの送受信を待機することのできる構文で、どのケースのチャネルも反応しない場合は、defaultが実行されます。
func main() {
root := context.Background()
ctx1, cancel := context.WithCancel(root)
ctx2, _ := context.WithCancel(ctx1)
var wg sync.WaitGroup
wg.Add(2) // 2つのゴールーチンが終わるの待つため
go func() {
defer wg.Done()
for {
select {
case <-ctx2.Done():
fmt.Println("cancel goroutine1")
return
default:
fmt.Println("waint goroutine1")
time.Sleep(500 * time.Millisecond)
}
}
}()
go func() {
defer wg.Done()
for {
select {
case <-ctx2.Done():
fmt.Println("cancel goroutine2")
return
default:
fmt.Println("waint goroutine2")
time.Sleep(500 * time.Millisecond)
}
}
}()
time.Sleep(2 * time.Second)
cancel()
wg.Wait()
}errgroup.Groupはerrgroup.WithContextを用いることで、エラーが起きた際に処理をキャンセルすることができます。
func main() {
root := context.Background()
eg, ctx := errgroup.WithContext(root)
eg.Go(func() error {
for {
select {
case <-ctx.Done():
fmt.Println("cancel goroutine1")
return nil
default:
fmt.Println("waint goroutine1")
time.Sleep(500 * time.Millisecond)
}
}
})
eg.Go(func() error {
time.Sleep(2 * time.Second)
return errors.New("error")
})
if err := eg.Wait(); err != nil {
log.Fatal(err)
}
}errgroup.WithContextを用いてエラーが発生した場合のキャンセル処理をハンドリングしましょう。
errgroupパッケージは外部パッケージであるため、go getコマンドでインストールする必要があります。
$ go get -u golang.org/x/sync/errgroup
次のコマンドで実行することができます。
$ go run main.go
boil関数に渡す水の量を2倍にしたりしてエラーが発生するようにしてみましょう。